【E-E-A-T対策】ヘルスケア記事の一次情報の探し方|公的データ・論文検索と法規対策
「ネット上の健康記事を参考にして書いたけれど、これって本当に正しい情報なのだろうか……」 ヘルスケアや美容の記事を書き始めたばかりのとき、このような不安を感じたことはありませんか?
結論からいうと、公的機関のウェブサイトや論文といった「一次情報(大元のデータ)」を確認する手順をパターン化するだけで、誤情報や法律違反のリスクを回避し、読者やクライアントから信頼される記事が書けるようになります。
医薬品メーカーで15年間、品質保証(QA)として規格やルールの適合実務に携わってきた薬剤師が、初心者Webライターでも今日から迷わず実践できる「一次情報リサーチの基本手順」をわかりやすく解説します。
1. なぜヘルスケア記事で「まとめ記事のまとめ」を書いてはいけないのか?
ヘルスケア領域において、他の個人ブログやキュレーションサイトの内容をそのまま再構成する「孫引き」は厳禁です。
伝言ゲームで誤情報が膨らむリスク
科学的な調査は本来「実験データ」に基づいて客観的に行われます。しかし、Web上には「商品を売りたい(CVさせたい)」という目的が先行し、都合のよいデータだけを切り取って誇張した記事が少なくありません。
他人の記事を参考にすると、要約ミスや拡大解釈が重なり、伝言ゲームのように極端な誤情報へと変化してしまいます。

[論文のデータ]「試験管内の実験で、成分Aに脂肪分解の傾向が見られた」
↓(まとめサイトA)
[要約の歪み]「成分Aには脂肪燃焼効果があることが判明!」
↓(さらに孫引きした記事B)
[誤情報の拡散]「飲むだけで激ヤセ!奇跡のダイエット成分!」
日報の「異常なし」という一言だけを見て安心していたら、実際の計測数値では徐々に悪化していた……というトラブルは品質管理の現場でも起こります。まとめ記事の「効果がある」という言葉を鵜呑みにせず、必ず「大元のデータはどう言っているか」を確かめる必要があります。
ライター自身も責任を問われる「健康増進法第65条」
「指示された通りに書いただけの外注ライターだから」という言い訳は通用しません。
健康増進法第65条(虚偽誇大表示の禁止)は、対象がメーカーだけでなく「何人(なんぴと)も」と規定されています。客観的根拠のない「飲むだけで痩せる」「病気が治る」といった表現を記事に書いた場合、執筆したライターや掲載したメディアも行政指導やサイト名公表のリスクを負います。
2. どの情報を信じるべき?「信頼性ピラミッド」

リサーチをする際は、以下の表の上にある情報源から順番に探すのが鉄則です。
| 信頼度 | 情報源の種類 | 具体例 | 記事での使い方 |
|---|---|---|---|
| 最優先(高) | 公的機関・国際機関 | 厚生労働省、消費者庁、PMDA、WHO、国立健康・栄養研究所 | 【最優先で参照】 制度・認可情報・病気の公的解説の根拠にする。 |
| 推奨(高) | 学会・学術論文 | 日本医学会各分科会のガイドライン、査読付き論文(J-STAGE/PubMed) | 【推奨】 成分の有効性や安全性の科学的根拠にする。 |
| 参考(中) | 医療機関の公式発信 | 大学病院・専門医のクリニック解説 | 【補助的に使用】 自院の自由診療へ過度に誘導していないか注意して読む。 |
| 使用不可(低) | 個人ブログ・SNS・まとめ | アフィリエイトサイト、口コミ、企業のPRアンケート | 【一次情報として使用不可】 アイデア出しの参考にとどめ、根拠として引用しない。 |
3. 【実践】最短5分でできる!一次情報リサーチの3ステップ
初心者が日常業務で迷わないよう、使うべきツールと手順を3つのステップに絞り込みました。
Step 1:Google検索コマンドで「公的機関・大学」に絞る
検索窓にコマンドを追加するだけで、一般サイトのノイズを完全に排除できます。
- 公的機関のデータだけを探す: site:go.jp [調べたいキーワード]
- 例: site:go.jp コラーゲン 肌
- 大学・研究機関の発表を探す: site:ac.jp [調べたいキーワード]
- 例: site:ac.jp ブルーベリー 視力
- 学会のガイドライン(PDF)を直接探す: filetype:pdf [疾患名] ガイドライン
- 例: filetype:pdf アトピー性皮膚炎 ガイドライン
💡 検索のコツ 一般的な言葉でヒットしないときは、医学的な正式名称に変えて検索してください(例:「肌荒れ」→「尋常性ざ瘡」「皮膚炎」)。
Step 2:公的データベースで「原本」を照合する
医薬品や健康食品を扱う場合は、各省庁が用意している無料データベースを確認します。
- 医薬品の効能・副作用を調べる:PMDA(医薬品医療機器総合機構)
- 薬の名前で検索し、「添付文書」を開きます。ここに書かれている「効能・効果」「用法・用量」の文言から外れた効果を書いてはいけません。
- ワンランク上のテクニック: 「医薬品インタビューフォーム」の目次から『治療に関する項目(臨床成績)』を開くと、どんな人を対象にどれくらいの効果が出たのか、詳しいデータが確認できます。
- 機能性表示食品の効果の範囲を調べる:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」
- 商品名や成分名で検索し、「届出表示」を確認します。「睡眠の質の向上に役立つ」「内臓脂肪を減らすのを助ける」など、国に届け出た正確な表現の範囲を把握できます。
- 健康食品素材の安全性を調べる:国立健康・栄養研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報」
- 素材名(例:イチョウ葉、DHA)で検索すると、ヒトに対する有効性の有無や、飲み合わせの注意点(医薬品との相互作用)が客観的にわかります。
Step 3:論文データベースで「ヒトでの科学的根拠」を確認する
「この成分は本当に効くのか」を調べるときは、国内・海外の論文検索サイトを使います。
- 国内論文(J-STAGE):
- 日本語で成分名を入力して検索。「オープンアクセス(無料公開)」のアイコンがある論文を確認します。
- 海外論文(PubMed):初心者向けカンニング手順
- 成分名を英語にする(翻訳ツールでOK)
- 検索窓に [英語の成分名] systematic review または [英語の成分名] meta-analysis と入力して検索する(個別の実験ではなく、複数の研究をまとめた最も信頼性の高い論文が出ます)
- 論文を開き、ブラウザの翻訳機能を使って末尾の「Conclusion(結論)」の2〜3行だけを読む
4. やってはいけない!初心者が陥りがちなNG表現3選

一次情報を集めても、書き方を誤ると誇大表示・法律違反になります。
NG 1:マウスや試験管の実験結果を「ヒトに効く」と書く
動物や培養細胞での実験結果は、人間でも同じ効果が出るとは限りません。
- ❌ NG: 「培養細胞に成分Aを投与したところ脂肪が分解したため、飲むだけで痩せます」
- ⭕ OK: 「細胞実験の段階であり、ヒトに対する有効性はまだ確立されていません」
NG 2:医師の談話や「個人の感想」を効果の証明にする
「個人の感想です」と小さく書いても、記事全体で著しい効果を誤認させる構成は違反とみなされます。
- ❌ NG: 「医師の90%が推奨!」「3ヶ月で10kg痩せました(個人の感想です)」
- ⭕ OK: 主観的な感想ではなく、臨床試験で確認された事実(数値データ)を淡々と伝える。
NG 3:不安を煽って効果を暗示する
直接「治る」と書かなくても、不安を煽って商品リンクへ誘導する構成は医薬品的な効能効果の暗示とみなされます。
- ❌ NG: 「血液ドロドロは危険!血管をサラサラにして病気を予防するサプリはこちら」
- ⭕ OK: 「日々の食生活の乱れが気になる方に、手軽な栄養補給として取り入れられています」
5. コピペで使える出典(Citation)記載フォーマット
一次情報を引用・参照した際は、記事の末尾や該当箇所に正しい出典を記載します。公的機関へのリンクはGoogle(E-E-A-T)の評価向上にも直結します。
<!– 公的機関のデータを引用した場合 –>
[出典]厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
(https://www.mhlw.go.jp/…)
<!– 論文を参照した場合 –>
[出典]Yamada T, et al. Effects of Ingredient X on Health. J Clin Nutr. 2024; 45(2): 123-130.
<!– 機能性表示食品データベースを参照した場合 –>
[出典]消費者庁:機能性表示食品の届出情報「届出番号:〇〇(機能性関与成分:〇〇)」
引用が適法となる厳格な4要件をチェック項目として明記する:
- 公表された著作物であること
- 引用の必然性があること(自己の論述に必要不可欠であること)
- 主従関係(自身の本文が「主」、引用部分が「従」であること)
- 明瞭区別性(カギ括弧や引用タグ
<blockquote>で自身の文章と明確に分けること)
6. 納品前5分!ファクトチェックシート
記事を書き終えたら、以下の5項目を指差し確認してください。
- [ ] ヒトを対象にしたデータか: 動物実験や試験管の実験結果を「人に効く」と断定していないか
- [ ] 主観的な感想を根拠にしていないか: 「個人の感想」「医師の推薦アンケート」だけで効果を証明しようとしていないか
- [ ] 公的機関の原本と一致しているか: 医薬品はPMDA添付文書、機能性表示食品は消費者庁の届出表示の範囲内か
- [ ] 孫引きを排除したか: 他人のブログではなく、一次情報(.go.jp、.ac.jp、論文)を確認したか
- [ ] 出典リンクを明記したか: 参照した公的ページや論文の情報を正しく記載しているか
信頼されるヘルスケアメディアを目指して
一次情報のリサーチと照合は、単なるSEO対策にとどまらず、メディアの信頼性を担保し、読者の健康と自社の法的安全性を守る防壁です。
まずは日頃のリサーチでsite:go.jpコマンドを使い、公的データベース原本と照合する習慣から始めてみてください。
Contactお問い合わせフォーム
- 「AIで作成した下書きの事実確認をしてほしい」
- 「自社メディアやLPにに薬剤師の記名と顔写真を載せてE-E-A-Tを強化したい」
- 「薬機法・景表法をクリアしながら、成約率(CVR)を落とさない表現に直したい」
このような段階のご相談でも構いません。下書き原稿のURLや構成案を添えて、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。通常24時間以内にご返信いたします。
【生成AIの利用に関するガイドライン(Editorial Policy)】
松橋ナレッジワークスでは、コンテンツ制作および薬事チェック業務における生産性向上と客観的な情報整理を目的として、一部の工程に生成AI技術を導入しています。
- AIと専門家によるダブルチェック体制
AIによる網羅的な1次リスクスクリーニングと、薬剤師・実務経験者である代表自身による2次精査を組み合わせることで、機械的な見落とし防止と文脈に即した高度な法的判断を両立しています。 - 一次情報照合とハルシネーションの完全排除
法令解釈、医学的知見、統計データ等のエビデンス確認において、AIの出力をそのまま採用することは一切ありません。厚生労働省通知、添付文書、学術論文(PubMed等)などの一次情報原本との突き合わせを必ず人間が実施します。 - 成果物に対する完全な責任
納品するすべての成果物(記事本文、リライト案、監修コメント、判定シート)の文責は、有資格の実務者である代表自身が負います。 - 権利侵害の防止とコスト還元
生成AIの利用に伴う著作権・肖像権の侵害リスクを専門的見地から管理・排除しています。また、画像生成AIを活用した図解作成等により、クライアント様の制作コスト削減とスピーディーな納品に還元しています。
